ちきの映画日記

映画を見て、個人的に魅力的だと感じた点を拙い文章で紹介します。

ダークアンドウィケッド 感想 「原題:The Dark and The Wicked」 希望など存在しない、傑作ホラー

今回は、「ダーク・アンド・ウィケッド」というホラー映画を鑑賞しました。

ポスターがあまりに不気味だったので、個人的にかなり期待していた作品でしたが…

……こりゃ、怖い…!

と思えるような傑作ホラーでした!

 

本作は実家に帰省した兄妹が、正体不明の恐怖に襲われる様子を描いた作品。

陰鬱で不気味で、救いのない、格別な恐怖を味わえる傑作ホラーでした!

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「ダーク・アンド・ウィケッド」の基本情報

タイトル:「ダーク・アンド・ウィケッド」

原題:「The Dark and The Wicked」

おススメ度:★★★★★★☆☆☆☆6/10

個人的な評価:★★★★★★★★★☆9/10

公開年:2021年

上映時間:95分

製作国:アメリ

監督:ブライアン・ベルティノ

製作:ブライアン・ベルティノ エイドリアン・ビッドル

   ソニー・マーリ ケビン・マトゥソウ

 

「ダーク・アンド・ウィケッド」のキャスト

ルイーズ:マリン・アイルランド

 主人公の女性。

 

マイケル:マイケル・アボット・Jr

 ルイーズの兄。結婚しており、二人の子供も居る。

「ダーク・アンド・ウィケッド」のあらすじ

父の病状が悪化したとの報せを受けたルイーズとマイケルの姉弟は、生家であるテキサスの人里離れた農場を久々に訪れる。そこには、母に見守られながらひっそりと最期を迎えようとする父の姿があった。しかし母は「来るなと言ったのに」と彼らを突き放し、姉弟は両親の様子がどこかおかしいことに気づく。その夜、母は首を吊って死亡。やがて姉弟は、想像を絶する恐怖に巻き込まれていく。

(映画.comより引用)

「ダーク・アンド・ウィケッド」のネタバレ無し感想

タイトル通りの邪悪さ!90分間ひたすらに精神を蝕む超良作ホラー!!

 

正に、題名の通り「闇と邪悪」を突き詰めた作品で

個人的には2021年に鑑賞したホラー映画の中でナンバーワンの作品でした!

 

映画冒頭からエンドロールまで、ここまで不穏な映画は滅多に観たことがなく、

ホラーファンの私は鑑賞後、あまりの怖さに逆に興奮するという変態と化してしまいました…

 

ホラー映画によくあるジャンプスケア演出も多かったですが、何よりも印象的だったのは

「はっきりとはしないが、何かとてつもなく邪悪なものが主人公の家族に憑いている」

という事を物語、映像、音響の全てで我々に伝えてくる点。

 

何の罪もない主人公たちが追い詰められていく理不尽極まりないストーリー

はっきりとは観えない「何か」が確かにそこにいる演出

緊張感をもたらす不気味で重々しい音楽

 

どれを取っても素晴らしかったです

 

まるで、自分の観ている映画館にもその邪悪な存在が居るのではないかと思わせる、

微かな囁き声が周囲から聞こえる音響の使い方には、最早感動すら覚えました…

 

上映時間90分という、決して長い映画ではないのですが、終始恐怖感が途切れないので、めっちゃ疲れます…

 

なので、ホラーが苦手な人にはおススメはできませんが、不穏なホラー映画が好きな人にとってはたまらない作品になっていると思います。

 

ここからはネタバレ有りの感想になります!

 

 

 

 

 

 

 

 

「ダーク・アンド・ウィケッド」のネタバレ有り感想

「希望」とは程遠い「絶望」の物語

 

本作には明るいシーンが全くと言っていいほどありません。

ずーっと邪悪な何かによって主人公たちが徐々に蝕まれ、無残に屠られる様子を見せつけられます。

 

物語は、もう後が長くない父親の看病、また最期を看取るために兄妹が実家に帰ってくることから始まります。

 

ただ、もう実家で夫の面倒を見ている、兄妹の母親の様子がもうおかしい。

疲弊しているのは分かりますが、明らかにまともではないのです。

彼女は「邪悪な何かが父親を狙っている」と思い込んでいるのです。

案の定、自分の指を包丁で切断した挙句、ヤギを飼っている小屋で自殺をしてしまいます。

しかし、ここで違和感が…

母親は首をつって自殺をしたのですが、それに使ったと思われる台が無いんです。

じゃあ、どうやって3m近くの高さにある天井の柱に縄をかけたのか…

もう、ここから「何か」が居ることが示唆されています。

 

その後も兄妹はこの「何か」に脅かされる毎日を送ることになります。

そして最悪なのはこの「何か」は彼らの身近な人物などの姿で現れる点です。

妹の前には父親の姿で、兄の前では母親の姿で…

もうタチが悪すぎます。

母親なんて家の外で全裸で立っており、しかもふわふわと浮き出すっていう…

こんなん、実際母親を亡くした後に見たら、精神おかしくなりますよね…

 

しかも、家族でそこまで仲が良くないというのも絶妙。

兄と妹で父親をどうするかの話でもめますし、そもそも親ともあまり仲は良さそうではありませんでした。

また、兄は結婚しており子供も居るのですが、終盤で彼は妹を実家に置き去りにして一人で家に帰ってしまいます。

しかも、ただビビっただけっていう…

ひどい話ですよねー。

まぁ、家に帰った後、妻と子供が死んでいる幻覚を見て兄も自殺してしまうのですが…

 

終盤では実家には妹と父親だけになってしまうのですが、そこにヘルパーさんがやってきます。

彼女は信心深く、父親の死に対して「最も悲しいのは一人で死んでいく事。愛があれば乗り越えられる」的なことを妹に言い、勇気づけてくれます。

しかし、このヘルパーさんも「何か」によって自殺に追い込まれ、縫い針で自分の

体をメッタ刺しにして死んでしまいます。

 

最後一人になった妹は「何か」に怯えながらも父親の傍にずっと居て、愛を持って彼の死を見届けようとします。

そして、「何か」が彼女に近づこうとしたとき、ふいにその気配は消え、父親は亡くなってしまいます。

 

父親を連れていくという目的を果たしたから、妹は助かったのか…

愛は勝つというハッピーエンドなのか…

 

と、思いきや死んだ父親が妹を襲い、彼女の悲鳴がこだまする中で映画は幕を閉じます。

 

とことん、希望を潰していくこの終わり方には鳥肌が立ちました…

 

まとめ

いかがだったでしょうか?

 

本作は、ひたすらに陰鬱で不気味な空気感に包まれた傑作ホラーでした!

ホラー映画好きじゃないならおススメ出来ない位の恐怖感を味わえるので、そういうのが好き!、という方は是非ご覧ください!

 

それでは、読んでくださりありがとうございました!