ちきの映画日記

映画を見て、個人的に魅力的だと感じた点を拙い文章で紹介します。

007/ノー・タイム・トゥ・ダイ 感想 「原題:007/No Time to Die」 さらば、クレイグボンド。

本来の公開日からおよそ一年半……。

ようやく007の最新作、ノー・タイム・トゥ・ダイが公開されました!

もう本当に待っていた!

クレイグボンド大好きな私としては、ようやく鑑賞することが出来て本当に嬉しかったです…。

本作は、恋人と共に生きる事を決めスパイを引退したボンドが、かつての宿敵そして新たな凶敵の出現によって再び戦いの渦に巻き込まれる作品。

まさに、クレイグボンドの集大成!様々な組織の思惑入り混じる中で、ボンド個人の物語の決着へ。これまでのクレイグボンド作品を観ている方なら、興奮、感動必至の作品でした!

 


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「007/ノー・タイム・トゥ・ダイ」の基本情報

タイトル:「007 / ノー・タイム・トゥ・ダイ」

原題:「007 / No Time to Die」

おススメ度:★★★★★★★★★☆9/10

個人的な評価:★★★★★★★★★☆9/10

公開年:2021年

製作国:アメリ

監督:キャリー・ジョージ・フクナガ

製作:マイケル・G・ウィルソン  バーバラ・ブロッコリ

製作総指揮:クリス・ブリガム

 

「007/ノー・タイム・トゥ・ダイ」のキャスト

ジェームズ・ボンドダニエル・クレイグ
元MI6エージェント。前作「007 スペクター」で現役を退きジャマイカに住むが、CIAで旧友のフィリックス・ライターのある依頼により現役復帰する。

 

マドレーヌ・スワン:レア・セドゥ
前作からのボンドガール。現在は医師をしている。家族を殺された復讐のため自宅に現れたサフィンに、母親を殺された過去を秘めている。

 

リューツィファー・サフィンラミ・マレック

スペクターであるマドレーヌの父に家族を殺害され、その復讐のためにスペクターを狙う。

 

ノーミ:ラシャーナ・リンチ
ボンドの引退後に007となった凄腕エージェント。

 

Q:ベン・ウィショー
MI6の兵器開発課長。身勝手なボンドに振り回されているが、彼とは親友のような仲である。

 

「007/ノー・タイム・トゥ・ダイ」のあらすじ

ボンドは00エージェントを退き、ジャマイカで静かに暮らしていた。しかし、CIAの旧友フィリックスが助けを求めてきたことで平穏な生活は突如終わってしまう。誘拐された科学者の救出という任務は、想像を遥かに超えた危険なものとなり、やがて、凶悪な最新技術を備えた謎の黒幕を追うことになる。

(007/No Time to Die公式サイトより引用)

 

「007/ノー・タイム・トゥ・ダイ」のネタバレ無しの感想

クレイグボンド最後の作品に相応しいスケール!彼のボンドとしての生き様に感動必至の大作!

 

初代ボンド、ショーン・コネリーから始まった007シリーズ。

一作目は1962年公開なので、今年でほぼ60周年なんですね…凄い…。

私も全作品は鑑賞していませんが、一応歴代ボンドの作品は一通り鑑賞しました。

個人的にはクレイグボンドが一番好きで、彼の作品は全部鑑賞していたので、本作への思い入れはかなり強かったです…。

しかも、本来の公開日から一年半以上も待ちましたからね!?

ようやく鑑賞出来て、本当に感動しました。

 

クレイグボンド作品は過去の007シリーズとは決定的に違うところがあります。

まず、彼の登場する一連の作品には繋がりがある点

007シリーズは基本的に一話完結なので、ほとんど作品間の繋がりはありません。

しかし、クレイグボンドの場合はかなり密接な関係があるので、シリーズ通して観ると物語への没入感が半端ないです。

 

本作ではボンドが在籍している諜報機関のMI6以外に、「カジノ・ロワイヤル」から登場しているアメリカのCIA、前作に登場した敵対組織であるスペクター、そして新たな敵のサフィン一味など様々な組織が登場します。

この様な過去作との繋がりは、とてもワクワクさせるものでしたね。

 

そしてもう一つが、ボンドの内面的な部分がテーマになっている点。

ただ敵を倒し世界を救うだけの話ではないのが、クレイグボンド作品の大きな特徴の一つだと思います。

実際に過去作品では、ボンドや彼の上司のMに個人的恨みを持つ敵が登場したり、ボンドが自分の気持ちのためにだけに行動したりなど、彼のパーソナルな部分にフォーカスしたものがありました。

 

一作目で恋人に裏切られそして失い、二作目でその復讐を果たす。

三作目では母親同然のMを守るために自分の老いと戦い、前作では自分の過去と対峙し、そして新たな幸せを見つけた。

本作は正に、その彼個人の物語の集大成という作品。

前作で見つけた幸せのために、そして世界のために、ボンドは再び戦いの渦中に飛び込んでいきます。

シリーズで観てきた人なら、絶対に胸を熱くする展開になっています。

 

そして。今回の主題歌であるBillie Eilishの「 No Time to Die」。

この曲が本当に素晴らしい。

切ない雰囲気のある本作の雰囲気に本当に合ってましたし、007シリーズ定番のタイトルバック演出、そこへの導入は最高でした!

また、本作は映画音楽界の重鎮、ハンス・ジマーが音楽を担当しています。

彼の音楽は美しく壮大で、とてもエモーショナルなものになっており、クレイグボンドのフィナーレを力強く演出してくれています。

 

演出の面でもストーリーでも、本当にクレイグボンドの集大成として、最高の作品になっていたと思います!

 

ここからはネタバレ有りの感想になります!

 

 

 

 

 

 

「007/ノー・タイム・トゥ・ダイ」のネタバレ有りの感想

1.新キャラが良い!

QMマネーペ二ーなど過去作から登場しているキャラクターもとても魅力的でしたが、今作は新キャラが特に素晴らしかった!

 

まずは、ボンドが退任した後、007の称号を持ったノーミ

ボンドよりもかなり年が若く、しかも女性の007ということで、ボンドはかなり妬いていましたw

しかも、中々の勝気な性格で先輩のボンドにも臆することなくズケズケと物を言うんですよね。

で、ボンドもそれに対し少し嫌味っぽく返すっていう。

この新旧二人の007のやり取りがとても軽妙で観ていてとても楽しかったですね。

 

次に、キューバでボンドが出会う諜報員のパロマ

私の推し女優アナ・デ・アルマスが演じています(超綺麗な方です)。

本作におけるボンドガール的なポジションですが、とにかくめちゃくちゃ可愛い!!

諜報部員とは思えないくらい少女感が強いキャラでした。

新米の諜報部員という事で少し緊張気味だけど、初仕事でワクワクしてる感。

ボンドの前でちょっとキョドっている様子など全部が可愛くてメチャクチャ癒されました…。

登場時間が短かったのが残念、もっと活躍して欲しかったですw

 

そして最後が本作の敵サフィンです。

マドレーヌの父で元スペクターのホワイトに家族を惨殺され、その復讐を果たそうとするキャラクターとして登場します。

最初の彼の狙いはスペクターそのもの。

前作の敵であるブロフェルドを含め、いとも簡単にスペクターを壊滅させる様はとても恐ろしかったですね。

そして、その後の狙いはなんと罪のない人々。

勝手な理屈で多くの人間を淘汰しようとしており、復讐に身を焦がされた結果、完全に狂ってしまっているように見えました。

 

激高したり声を荒げたり、感情的になることはありませんでしたが、行動や言葉の端々にみせる残酷さや容赦のなさには震えました。

マドレーヌに会いに行った場面や、ボンドと直接話を交わす場面などでは、何をしでかすか分からない緊張感があり、

この様なキャラを完璧に演じたラミ・マレックは凄まじかったですね…。

 

2.悲しすぎる結末

この映画で最も心に残った場面は、何といってもクライマックス。

ボンドの死です。

 

物語の中盤でボンドとマドレーヌの間に子供が出来ていた事が発覚(マドレーヌは隠していましたが)。

今回のサフィンの一件が済んだら、今度こそ、誰にも狙われない平和な生活がボンドに待っていたと思います。

 

しかし、物語終盤。

生物兵器を生産しているサフィンの島に乗り込んだボンドは、この島にミサイルを撃ち込むことで生物兵器の破壊を考えます。

そして、島の内部にミサイルを届けるために巨大な扉を開けようとしている時、サフィンが突如襲撃。

この時、銃撃によってボンドは負傷してしまい、しかも強力な生物兵器を体内に入れられてしまいます。

 

この生物兵器は非常に小さなナノマシンで、DNA情報を読み込ませることで特定の人物を狙って殺害することが可能です。

かつ、生物兵器を体内に持っている人が第三者に触れるだけで、ウイルスみたいに相手に移すことが可能です。

 

これにより、ボンドは触れるだけで人を殺害してしまう体になってしまいました。

 

つまり、もう二度と自分の子供にもマドレーヌにも触れることは出来なくなってしまったのです。

しかも、負傷したことでミサイル着弾までに島から逃げることも出来なくなってしまいました。

 

そこで、死を覚悟したボンドはマドレーヌと無線で最後の会話を交わします。

お互いの愛を確認し、マドレーヌに子供の父がボンドであることを告げられた彼は、「僕と同じ青い目だ」と言って、笑顔でミサイルを浴び命を落としてしまいました。

 

これはクレイグボンド好きの私には辛すぎた…。

本当に愛したヴェスパーを失い、マドレーヌとの幸せを目前に命を落としてしまったのはやり切れなかったです…。

ただ生き延びたとしても、愛する人には一生触れられないなんて、辛すぎますよね…。

 

幸せになって欲しかったなぁ…。

 

しかも、その後ボンドと親交の深い人物たちがショックを受けている様子が映し出されるのですが、そこでのQの表情も辛かったです…。

ボンドに振り回されながらも、お互いにいじり合う、いわば親友のような関係だったQ。

そのQがボンドの死に涙を浮かべ、泣くのを我慢している様子に、こっちは爆泣きしてしまいました…。

 

この感動的?悲劇的なシーンにかかるハンス・ジマーの曲「Final Ascent」もめちゃくちゃ良かった…。

彼の曲は本当にそのシーンの魅力を倍増する力があります。

 

(こちらはその曲を短く編集したものです)


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だからこのシーンでは曲でも泣かされましたね…。

 

非常に辛いシーンではありましたが、歴代ボンドシリーズの中でも最も心に残ったシーンになったと思います。

 

まとめ

いかがだったでしょうか?

様々な組織の思惑入り混じる展開、今までのボンド個人の物語の決着。

クレイグボンドの最終章としてスケールもストーリーも壮大で、とてもエモーショナルな作品となっています。

これまでのクレイグボンド作品を観ている方なら、興奮、感動必至!

今までのシリーズを観てない人でも、壮大なスパイアクションに心を鷲掴みにされると思いますので、是非鑑賞してみてください!

 

それでは読んでくださりありがとうございました!